BLACK BLOOD BROTHERS(7) 王牙再臨 あざの耕平


『九龍の血統』の襲来、再び! 特区の運命が変わる長編第七弾!
ついに暴かれた九龍王墓所。九龍王復活を目論むカーサたちは、この機を逃さず特区に攻撃をしかける。一方、『九龍の血統』の九兄弟、その八番目たるラウ・王の凶弾に倒れた陣内のもとに、セイが駆けつけるのだが!?

「聞いて欲しい。私は、この本一冊ですっかり『BBB』が気に入ってしまった」
先日一気にまとめ読みしたBBB、初めてのリアルタイム購入。スロースターターあざの耕平がエンジン全開といったかんじ。絶望と希望、死と復活、それでは―――覚悟を。
あちこちの感想をざっと見たけどみんな絶賛してるね。うん、そうだろう、そりゃそうだろう、素晴らしかった。久しぶりにこういう熱いおもしろい小説を読んだよ。化けたな。
事前情報何もなしで読んだ方が絶対おもしろいと思うので今後読む予定の人は見ないように。以下ネタバレ。長文失礼。



サブタイトル通り九龍王が復活するわけですが、その前後のドタバタ。でもすごい密度。
陣内さんが死にそうだー、ってとこで前回終わってましたが今回は陣内さん死んだーから始まりました。この漫画で一番かっこいい陣内さんが退場してしまったのは大きな損失ですが、ヘタに吸血鬼に転化して延命とかしなくてよかった。あざの耕平は分かっていらっしゃる。
なんだかんだで九龍は弱いよね、セイとゼルマンとイブに比べちゃ他の連中はすごい格下だからな、と思って読んでたらまさかのセイが九龍仲間入り!九龍の血は怖えーな。セイが敵に回った時の衝撃と絶望ったらないですよ。形勢逆転。セイの身体を殺して転生したら元に戻らないだろうか?無理かな。それにしても最強のセイが人の力でやられるとは。
お姉さん方からはおそらく一番人気であろうゼルマンも大活躍。ジローの助っ人に来たり身を挺してコタロウを守ったり命と引き換えにジローを諭しに来たり、そして最期はサユカの腕の中。彼の血はハングリーだな。
そしてミミコグッジョブ。立派な子になったものだ。こんだけ絶望的状況において希望に溢れているなあ。ミミコに限らず人間側がかなり頑張ってるね。吸血鬼の頂上決戦なのだから人の入る隙など無かろうと思ってたら、もうみんなかっこよすぎる。でも人と吸血鬼の繋がりを今回最大限活かしたのは敵側だというところが、圧倒的不利な手駒からの大逆転が、まるで主人公側みたいじゃないか。
というわけで九龍側の大勝利で第二部完。まだ続くのか…。終わってもいいと思うけどな。味方がびしばし死んでるのに敵が死なないというのはめずらしいな。
今までのように第三部までの間のショート(ギャグ)を書いてくれるんだろうか。「ミミコ、シンガポール編」とか「ジロー、混沌の家で嫁いびりにあう」とか「コタロウ、九龍一家へ居候」とかのギャグを見たいな。「神父のカレーパン談義」とか。「緋眼のサユカの慣れない吸血鬼生活」とか。
というかジローは普通に北の黒姫さんに助力を仰ぎにいけばいいじゃない。