幻惑の死と使途 森博嗣

幻惑の死と使途 (講談社文庫)

幻惑の死と使途 (講談社文庫)


「諸君が、一度でも私の名を呼べば、どんな密室からも抜け出してみせよう」いかなる状況からも奇跡の脱出を果たす天才奇術師・有里匠幻が衆人環視のショーの最中に殺された。しかも遺体は、霊柩車から消失。これは匠幻最後の脱出か?幾重にも重なる謎に秘められた真実を犀川・西之園の理系師弟が解明する。

S&M第6弾。奇数章しかありません。(1章、3章、5章…)偶数章は次作「夏のレプリカ」に収録されています。変則章については特に何の仕掛けも無いようでしょんぼり。
登場人物紹介頁が無くなりました。まあアレがあるといろいろと不便ですけどね、書き手側からは。読み手の私としてはあってほしいのだけど。
犀川先生が最後に犯人に発した言葉が好きですね。あれを聞いて犯人がどう思ったか…。そしてやっぱし今回も彼女はムダに死に掛けます。


「諸君・・・。私は、この危機から諸君の期待どおり生還しよう。私は、最悪の条件、最大の難関から脱出する。諸君が私の名を心の中で呼べば、どんな就縛からも逃れてみせよう。一度でも、私の名を叫べば、どんな密室からも抜け出してみせよう。私は、必ずや脱出する。それが、私の名前だからだ」