君の望む死に方 石持浅海
- 作者: 石持浅海
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2008/03
- メディア: 新書
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私は君に殺されることにしたよ
しかも殺人犯にはしない──。
死を告知された男が選んだ自らの最期。
周到な計画は、一人の女性の出現によって齟齬をきたしはじめた。
「扉は閉ざされたまま」と同じような装丁だったので、これは!と思って即購入。
まさか「扉は閉ざされたまま」の続編(といっても登場人物が一部共通なだけだが)が出るとはね。
倒叙3部作らしいですね。文庫版のあとがきに書いてあったのかな?私は両方ノベルスだからあとがきが無いよ。
「扉は閉ざされたまま」は密室殺人が発覚する前に事件を解決しようとしてましたが、「君の望む死に方」は事件が起こる前に事件を解決しようという試みです。まだ誰も死んでないのに探偵は犯人を暴けるか!?
相変わらず動機がどうかなとは思うけどまあいいや。
さて、そこらのヤンデレなんかメじゃないくらい怖い女、優佳が再び探偵役で登場。怖いよ怖いよー。現実にいたら絶対会いたくないキャラトップクラスですよ。探偵なのに。
なにせ優佳は前科(?)があるので、こっちは最初から警戒して読むわけですよ。すると解答編見るまでもなく優佳の仕込みが分かるんですね。優佳いったー!優佳煽ってるー!みたいな。怖いよ怖いよ。
人が死ぬのは嫌なんですとか言っときながら、お前。だいたいドアストッパーとか、お前。………。お前は絶対楽しんでる!
最後は、ちょっとその、落ち着いて、爺さん!
以下ネタバレ反転。
冒頭文によると、
・一一九番通報があったのは午前七時四十七分
・保養所内で、人が死んでいる
ということだから少なくともどちらか(或いは両方、或いは無関係の誰か)は死んでしまったわけだ。
110番でなく119番、夜でなく朝ってところがポイントか。
倒叙3部作の最後の1作は是非優佳が的外れな推理をしてピンチになるところを見てみたいです。あと伏見さんも。