有限と微小のパン 森博嗣

有限と微小のパン (講談社文庫)

日本最大のソフトメーカが経営するテーマパークを訪れた西之園萌絵と友人・牧野洋子、反町愛。パークでは過去に「シードラゴン事件」と呼ばれる死体消失事件があったという。萌絵たちを待ち受ける新たな事件、そして謎。核心に存在する、偉大な知性の正体は…。Ｓ＆Ｍシリーズの金字塔となる傑作長編。

Ｓ＆Ｍ第１０弾。最終巻。『有限と微小のパン　The Perfect Outsider』長ーーかーーったーーー。分厚すぎるよ、５センチくらいあるもん。読んでも読んでも終わらない。
たしか去年の冬コミの時に「有限と微小のパン」を読めと言われて、冷たい密室から四季までざっと…１２冊。（すべＦと春除く）夏コミ前に読み終われてよかった。
この本はＳ＆Ｍの総括に…なってるのかな？Ｓ＆Ｍというより四季。ていうか四季が出てきたら喰われちゃうよね。基本的に萌絵が主役だけど、最後のオチは四季に取られちゃったし。綺麗なオチだけど、Ｓ＆Ｍ完結なんだからやっぱり犀川＆萌絵でシメて欲しかった。ふーん、これが四季秋に繋がるわけかー。
今回ミステリ部はどうでもいい。というか四季が出たらもう…四季はホント喰っちゃうなあ。今回の事件も結局四季の理論の材料の一つに過ぎなかったかんじです。結構好きだけど、ああいうトリック。
いい台詞がいっぱいあった気がするけど長くて前半の方は覚えてませんー。四季の言葉は落ち着いていて綺麗で魅力的。人殺しなのになあ。四季ぐらいになると殺人なんてほんとに微小だけど。

「あなたと一緒に歩きたかった。
たったそれだけのために、このシステムを作らせたの。
馬鹿馬鹿しいと思われたでしょう？」

犀川先生だって四季の中には１分１秒と留めておいてはもらえない微小な存在のはず。そんな有限にして微小な一人の人間のためにＶＲを作っちゃうんだから、これが魅力的でなくて何なのだろう。奔放な女性だ。

「よくわかりません」
「その言葉こそ、人類の墓標に刻まれるべき言葉です。
神様、よく分かりませんでした……ってね。」

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